clusterでの音声トラブルについて、ユーザーが検証。調査結果をXで公開

 clusterでのイベント開催時の音声トラブルについて、有志のユーザーが負荷検証を行い調査結果をX(旧Twitter)で公開した。

 検証を実行するきっかけとなったのは2024年3月30日(土)に開催されたVRイマーシブ演劇「がんばる細胞〜ぼくたち みならい 細胞組〜」で発生した音声トラブルである。

 会場はワールドクラフトで制作されており、来場者は「赤血球」と「白血球」に分かれ、リアルタイムでクラフトされるワールドを進みながら物語の一部となる体験ができる予定だったが、負荷による音声トラブルで進行困難となり公演中止を余儀なくされた。


 筆者も実際にスマートフォンからclusterに入りこのイベントへ参加していたが、来場者の人数が増えていくにつれワールドが重くなっていき、演者の声がプツプツと途切れて聞き取れないという状況に陥った。また、スマートフォンだけでなくデスクトップやVRで参加しているほとんどの演者・スタッフ・来場者が同じ状況だった。

▼当時の状況がわかる配信アーカイブ

「負荷・デスゲーム」を開催。参加者を対象に調査アンケートを実施

 そこでイベント主催者のてつじんさん始め「がんばる細胞」制作チームは、「負荷・デスゲーム〜何人目で、声が途切れてしまうのか?〜」という負荷テストイベントを行った。ワールドクラフトで制作されたワールドに来場者が一人ずつ入場し、音声が途切れる症状が現れたら即終了のデスゲームで、負荷検証を目的としたエンターテインメントイベントである。

 「がんばる細胞」制作チームは負荷テストイベント終了後、デスゲームに参加した来場者を対象にアンケートを行った。アンケートの内容は以下である。

アンケートURL:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdPbJuzt_2XOUvpM0MxQMdpy5pxDJ3vhE7xHzJV6KfCgl_qTQ/viewform?pli=1

質問0. 今回トラブルは起きましたか?
 起きた/起きなかった
起きた場合・・・
 音声トラブル/描画トラブル/clusterがクラッシュ

質問1.使用したデバイスについて
使用したデバイスはPCVRである
 はい/いいえ
使用したデバイスはPCデスクトップである
 はい/いいえ
使用したデバイスはQuest単体である
 はい/いいえ
使用したデバイスはスマホ・タブレットである
 はい/いいえ

質問2.接続に使った回線について
有線LANで接続した
 はい/いいえ
無線LANで接続した
 はい/いいえ

質問3.接続しているネットの上り回線速度は?(半角数字、Mbps単位でお答えください.測定サイト:  fast.com  「詳細を表示」をクリックして計測してください」)

質問4.接続しているネットの下り回線速度は?(半角数字、 Mbps単位でお答えください.  測定サイト: fast.com  )

質問5. グラフィック品質の設定がわかりましたら教えてください
詳細設定でカスタム設定をしていた場合は回答せず下の設問へ移動してください
 最低/低/中/高/最高
(続き)詳細設定でグラフィック品質の詳細設定をしていた場合
モデルの品質は?
 最低/低/中/高/最高
(続き)詳細設定でグラフィック品質の詳細設定をしていた場合
なめらかな動きのアバターの数は?
 最小/少なめ/標準/多め/最大
(続き)詳細設定でグラフィック品質の詳細設定をしていた場合
アバターの表示範囲は?
 周囲のみ/近くまで/標準/遠くまで/すべて

質問6. ネームプレート・ふきだしの表示の設定がわかればお答えください
 オン/オフ

質問7. カメラレンズの表示の設定がわかればお答えください
 オン/オフ

質問7. パーソナルエリアの表示の設定がわかればお答えください
 オン/オフ

質問8. アクセサリーの装着数を教えてください
 0/1/2

質問9.その他気になる点があれば教えてください(公表可能な内容でお願いします)

調査報告書

 上記のアンケートで集まった情報を分析し、結果と考察をまとめたスライドがXにて公開された。

(スライド画像提供/てつじん)

▼該当のポスト

スライドを作成したDr.Nyao(ドクター・にゃお)さんからのコメント

Dr.Nyaoです。
がんばる細胞の中止された初回公演の後、多くの方のXでのポストや、第一回目の負荷検証が行われたcluster自衛隊体操部でのアンケートなどを通じて沢山の深い考察が寄せられました。今回の負荷検証デスゲームではそれらの考察内容を吟味したうえで調査項目を設定することが出来ました。

この体験を通じて思ったのは、clusterに集う皆さんの「clusterという場をよりよくしたい」という想いが、思った8億倍熱いものだったということでした。負荷検証をエンターテインメントにさくっと昇華させちゃうてつじんさんもすごいですけれど、そこに「思い思い」の「重い」アバターで着飾って訪れてくださったゲストの方ひとりひとりの「想い」を数字の裏側にひしひしと感じて「ここはなんと素敵な場所だろう」という印象を新たにしました。


今回の調査結果がワールドクラフトという比較的新しいユーザーエクスペリエンスをより良いものとする糧となれば幸いに思います。
そして、今回の調査結果に基づいて、がんばる細胞は中止された公演内容を凌駕するおもしろさで帰ってくる予定ですのでこちらもどうぞお楽しみにお待ちください!!!

取材協力

てつじん

ポートフォリオ: https://fori.io/tetsujinVR
YouTube: https://youtube.com/channel/UCKYCeSE4yKlVocWznYe5W-g
X: https://twitter.com/takahitoyeah

Dr.Nyao

X: https://x.com/DrNyao

「がんばる細胞」再公演を心待ちにする声(Xのポストより抜粋)

 最後に、「がんばる細胞」の再公演を待ち望む来場者の声を一部紹介する。この調査結果が活かされ、再公演が無事行われることを期待したい。

紅花/Koka

cluster新聞部記者。第1期VR文化アンバサダー。芸術と教育分野に関心が高い。X:@Koka_safflower

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